嘘が輝くとき

掃き溜め

舞台 文豪とアルケミスト戯作者ノ奏鳴曲 感想

※大体邪推です。

何も予想する時間がなくて(?)、怯えながら迎えた初日。初めて文劇のチケットを紙切れにしてやろうかと思った。
今回ってこんなもんかとなり、ショックを受けて、一周回っておもしろくなって、最後はやられた〜!ってなりました。間違いなく吉谷さんは司書の味方でした。
あと音楽めっちゃ鳴ってんな〜!うるさ!って思った。曲数多かった気がする。まあこれも全部意味があるんだろうな〜という感じでした。

結果、めちゃくちゃ面白かったです。私はいろんな意味で面白かったし楽しかった。それでも私が見たかった文劇ではなかったし、シリーズにカウントしたくない気持ちもある!感情が複雑骨折している。

順を追って書いていくと、
まず、しげじが武器捨てた辺りで、え?つまんな!て思った。何でそう思ったかは不明。自分でもよく分からん。何かおもしろくないな〜となった。
で、白さんが出てきたところ。綴り人の匂わせをされてめちゃくちゃ萎えた。本当にショックだった。3の考察一生してたオタク大歓喜じゃんヤダ!!!ちゃんと司書の味方だったわ!!!てなった。そこでもう本当に残りのチケット紙切れにしてやろうかと思った。
そこに更にオタクが大好きな最後の晩餐!wwwww
この辺でもうおもしろくなっちゃった。オタクの大好物めっちゃ入れてくるじゃんwwwwwってなってた。
極めつけは「魂となりて」に乗せたスーパー白秋タイム!隣の人泣いてるのに大笑いしてた。本当にごめん。
そして「堕落論」のシーン。あそこで客電点ける演出があったのは最高だった。あ!これもやってくれるんだ!?て思った。3のときにこの演出があって、舞台と客席が地続きになった気がして感動したんだよね。
でもその後、またこの演出やったじゃないですか。あれでもうこれ遊んでるな?って思って。
だってあんな効果的な演出をそんな短時間でもう一回入れてくるか??
これのおかげで(?)あ〜そういうことか!やられたな〜!ってなりました。残りのチケットを紙切れにするのはやめました。

そして私が大喜びしちゃったのが、今回の主題歌の吉谷さんのコメント。
「かっこいい崇高な魂と見せかけた遊び」
まさにこれだったなと。
とてもデフォルメされた「舞台 文豪とアルケミスト」だったんだなと思いました。大体洒落とオヤジギャグ。
「戯作」って調べると色々意味出てきますけど、一番笑ったのは「戯れに書いたもの」ってやつ。あと「黄表紙」確かにってなった。

これまでの文劇のネタというか要素が散りばめられてたなと。個人的に一番おもしろかったのは安吾が一人で異端者の円舞してたことです。

それと本当に最低なので、幻覚見てるオダサクに対して白さんが「その解釈でいい」って言ってるの、ひたすらろくろ回してる考察厨に向けた言葉だな〜とか勝手に思ってました。
ラストの方でダンくんも「自分の価値観で世の中を歩き出していい」って言ってるし、オタクのこと全肯定してくれるじゃんね。知らんけど。
そのわりに主題歌の歌詞はオタクのこと嫌いなの?!って感じだったけどwwwww(偽りの戯作者って誰のこと!?)
おかげで今回の話ってわりと偶像崇拝の話でもあったんじゃないかと気づきましたが。
オダサクやダンくん、館長の太宰くんへの執着と、俳優たちの平野良信仰が掛かってたんじゃないかと。
そもそも象徴ともいえる太宰くんと多喜二くんがいない時点でお察しなんだよな。

中身については正直まだよく分かりません!外側ばっかり見ていたので。
だから太宰くんの新規オタクのオダサクvs古参のダンくんとその潰し合いというエンタメが見たい白さん、という最悪の解釈を生み出したりした。
パンフ読んで「オダサクが自信を取り戻す話」って書いてあるのでそうなんや!てなった。なんだと思ってたんだ。
太宰くんとの思い出がほとんどないオダサクが、「織田君の死」っていう太宰くんからの言葉で自信を取り戻し、「堕落論」で我々から力を貰う。
堕落論」読み上げてる以上彼らは人間なんだけど、ステージにいることは変わらないし、3の時みたいに客席とステージが同じ明かりにならないので結局彼らはステージに立つ側の人間なんだよなあ。だからこそ覚醒できたわけですね〜(そうだから偶像崇拝……)(いや知らんけど)。

つまるところ、あれは「舞台 文豪とアルケミスト」っていう偶像を見せられたんじゃねーかなと。あなたたちが有り難がっているものって、結局自分たちが良いように見て解釈して切り取って受け取ってるだけじゃない?っていう。物事の本質が見えてないんじゃない?みたいな。そういうものを感じた。
まるで文劇は特別みたいに言うオタクがいるけど、全然そんなことないのにね。
劇館長が出てきたことによって国家だの主義や思想の話をしがちだけど、物語を進めるギミックで意味なんてないと思ってるから、皆さん真剣に議論しててすごいなって思う。演劇的とか社会派とか、芸術か娯楽かとか、すごい御大層なものみたいに思ってるみたいだけど、結局エンタメなんだよね。

まさに「かっこいい崇高な魂と見せかけた遊び」
エンタメなんです。って私は思いました。

そして4の「真実を求め続けよう」っていう秋声の言葉に繋がるような気がした。
そう考えると4〜6って見事に書き手(作り手)の苦悩を描いたんじゃない?!すごい。
これだから文劇って楽しいんだよな。

まあオジ三羽烏は自らハードルを上げてしまったわけですが……。来年が楽しみだな〜!

 

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