嘘が輝くとき

掃き溜め

バクテン!!The Stage感想

 

バクテン!!はアニメから見ていて、再放送も見て映画も何度も見に行ったくらい大好きな作品。舞台やってくれないかな〜と言っていたら舞台化が発表されて大喜びした。でも制作とスタッフ陣見て不安になったりもした。
結果は言わずもがな。現地から離れるまで文句言わなかったの褒めてほしい。元々大して期待してなかったけれど、有り難いことにこういう経験がなかったので備忘録として残します。

おもしろいかおもしろくないかで言ったらおもしろかったと思う。楽しかったかと聞かれたら楽しくなかったです。とにかく変だった。バクテンだと思わなければおもしろい舞台だったと思う。
関係者の方のツイートで「青春コメディ」って言われてたのが本当にショックだった。コメディだったこと一度もないんですけど。
原作のオタクとしてはバクテンの良さが殺されててただただ悲しかったです。少なくともあれを観て「男子新体操が大好きです!」なんて言えない。
本当に開始10分で「チェンジで!」て叫んだ。心の中で。それくらい最初から終わった……と思った。
なんというか、すごくシーンが小間切れだったなという印象。暗転も結構多かったし。ストーリーの盛り上げ方下手くそか?脚本初心者?ってくらい場面の繋げ方も下手だった。何あれ。12話をまとめました!じゃなくて12話オムニバスにしました!って感じ。
勿論「新体操をすること」は大事だけど、そこに至る過程で描かれてる人間ドラマを大事にやってほしかった。みんなの感情のぶつかり合いをもっと見せてほしかった。正直、俳優オタクとしてはその辺りの演技がじっくり見られなくて不満だし、バクテンのオタクとしてはそういうシーンをさらっとながされてしまって不満。積み上げていたものがなかったということは決してなくて、だからこそブツ切りのシーン毎じゃなくてストーリーの流れで感情を見せてほしかった。
串タコ串りんご飴のアイキャッチとか要らんからそっちに時間使ってくれよ。アニメ見たことない人からしたら串タコis何?だよ。部活終わりにみんなで食べたりしてたんです……。アオ高男子新体操部のソウルフード的なものです……。1ミリも伝わらない……ならやるな…………。
やるなついでに言うと公式サイトのあらすじ初日迎えてもcoming soon…だったの本当にバカ。書かないなら項目を作るな。しかも消したし。バカか?
食べ物といえばあの差入れのご飯吊るすシーン何だったんですか?ラブ米でもあるらしいけど村井さんの手癖?アニメサイドってご飯のシーンを大事にしてるんですけど、それをあんな粗末に扱わないでもらっていいですか?ギャグだろうがそういうノリだろうが知らん。村井はもう宮城の米食べるな。
あとシロ高って元々そんなに出て来ないから仕方ないんだけど、アニメの合宿回を分散させたせいで学校でかくれんぼしたのがキャストの着替えの時間稼ぎになってたの、アニメ見てない人にとっては何?って感じだよね。そんなことするくらいならもっとストーリーに時間割いてほしいんですけど。
松葉杖のものボケコーナーはまあ許すとして(舞台でありがちな日替わりネタだし)、リズムゲームは何だったんですか?翔太郎が演技の流れで鹿倒立するのが苦手なことを表現したつもりなんだろうけど。でも肝心の県大会全カットじゃないですか。やれよ。地区大会で見せたいのはわかるけど。やれよ!翔太郎が鹿倒立成功させられるかどうかを手に汗握って応援するのが良いんじゃん!そこで視聴者は物語に惹き込まれるワケ。知らんけど。私はそうだった。なので「何でやってくれないのー😭」でしかない。そこから更に地区大会に向けて盛り上がってくのにさ〜起承転結って何?ありました??
女川先輩のエースへの憧れもよく分かんなくなってたし。美里くんも、中学のとき組技失敗してトラウマになってる話がカットされてて、ただの人間不信で組技ができないみたいになってたし。その辺の葛藤をもっと見せてほしかったんですけど。

おもしろさ追求しなくていいので真面目にやってほしかったな。

他にもあったような気がするけどざっとこんなものでしょうか。
なんというかビジュアル詐欺だったな。ビジュアルはすごくバクテンだった。キャストたちの演技は本当に良かったです。康介くんなんてめっちゃ翔太郎だったし(ジュエステの康介くん翔太郎抜けてなくて次の日バクテン観に行って笑いそうになった)。個人的には岩城くんの美里くんがめちゃくちゃ良かった。真面目で真摯に役と向き合っていて、見ていてそれがすごく分かって本当に良かった。だからこそもっと人間ドラマを見せてほしかったんですけど〜〜〜!!!!!!勿論他のキャストも素晴らしかった。シロ高のパフォーマンスのレベルの高さなんて本当にそうだったし。俳優たちの芝居が良かったからこそ脚本と演出変えてやり直してほしい。絶対もっと良いものできる。

おかしいなあ。「やっぱバクテンて最高〜!」って泣くつもりで行ったのに。
私の好きな作品って大体舞台化されていて、有り難いことに外れたことがなかったから、今回こういう経験をして今まで演出家に恵まれてたんだなあと改めて思った。

観てから私、青オペが村井さんで初演の放送ちょっと見て合わなくて見るの止めたの思い出した。
作品と演出家の相性の良し悪しはあるけど、それだけで片付けるのもなあという気がして。コメディやりたいなら自団体で好きなだけやればいいし、外部で原作付きの作品なんだからもうちょっと原作に寄り添ってくれてもよかったんじゃないかと思う。

余談ですが黒柳監督と観劇が一緒だったんですけど、終わったあと本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。こんなもの見せてごめん。

少しでもバクテン!!が気になった方は是非アニメと映画を見てくださると嬉しいです。真剣に男子新体操と向き合う青春アニメです。よろしくお願いします。

https://youtu.be/aVFfu3W182g?si=QDTHoDH-33W1Vnz_

舞台 文豪とアルケミスト戯作者ノ奏鳴曲 感想

※大体邪推です。

何も予想する時間がなくて(?)、怯えながら迎えた初日。初めて文劇のチケットを紙切れにしてやろうかと思った。
今回ってこんなもんかとなり、ショックを受けて、一周回っておもしろくなって、最後はやられた〜!ってなりました。間違いなく吉谷さんは司書の味方でした。
あと音楽めっちゃ鳴ってんな〜!うるさ!って思った。曲数多かった気がする。まあこれも全部意味があるんだろうな〜という感じでした。

結果、めちゃくちゃ面白かったです。私はいろんな意味で面白かったし楽しかった。それでも私が見たかった文劇ではなかったし、シリーズにカウントしたくない気持ちもある!感情が複雑骨折している。

順を追って書いていくと、
まず、しげじが武器捨てた辺りで、え?つまんな!て思った。何でそう思ったかは不明。自分でもよく分からん。何かおもしろくないな〜となった。
で、白さんが出てきたところ。綴り人の匂わせをされてめちゃくちゃ萎えた。本当にショックだった。3の考察一生してたオタク大歓喜じゃんヤダ!!!ちゃんと司書の味方だったわ!!!てなった。そこでもう本当に残りのチケット紙切れにしてやろうかと思った。
そこに更にオタクが大好きな最後の晩餐!wwwww
この辺でもうおもしろくなっちゃった。オタクの大好物めっちゃ入れてくるじゃんwwwwwってなってた。
極めつけは「魂となりて」に乗せたスーパー白秋タイム!隣の人泣いてるのに大笑いしてた。本当にごめん。
そして「堕落論」のシーン。あそこで客電点ける演出があったのは最高だった。あ!これもやってくれるんだ!?て思った。3のときにこの演出があって、舞台と客席が地続きになった気がして感動したんだよね。
でもその後、またこの演出やったじゃないですか。あれでもうこれ遊んでるな?って思って。
だってあんな効果的な演出をそんな短時間でもう一回入れてくるか??
これのおかげで(?)あ〜そういうことか!やられたな〜!ってなりました。残りのチケットを紙切れにするのはやめました。

そして私が大喜びしちゃったのが、今回の主題歌の吉谷さんのコメント。
「かっこいい崇高な魂と見せかけた遊び」
まさにこれだったなと。
とてもデフォルメされた「舞台 文豪とアルケミスト」だったんだなと思いました。大体洒落とオヤジギャグ。
「戯作」って調べると色々意味出てきますけど、一番笑ったのは「戯れに書いたもの」ってやつ。あと「黄表紙」確かにってなった。

これまでの文劇のネタというか要素が散りばめられてたなと。個人的に一番おもしろかったのは安吾が一人で異端者の円舞してたことです。

それと本当に最低なので、幻覚見てるオダサクに対して白さんが「その解釈でいい」って言ってるの、ひたすらろくろ回してる考察厨に向けた言葉だな〜とか勝手に思ってました。
ラストの方でダンくんも「自分の価値観で世の中を歩き出していい」って言ってるし、オタクのこと全肯定してくれるじゃんね。知らんけど。
そのわりに主題歌の歌詞はオタクのこと嫌いなの?!って感じだったけどwwwww(偽りの戯作者って誰のこと!?)
おかげで今回の話ってわりと偶像崇拝の話でもあったんじゃないかと気づきましたが。
オダサクやダンくん、館長の太宰くんへの執着と、俳優たちの平野良信仰が掛かってたんじゃないかと。
そもそも象徴ともいえる太宰くんと多喜二くんがいない時点でお察しなんだよな。

中身については正直まだよく分かりません!外側ばっかり見ていたので。
だから太宰くんの新規オタクのオダサクvs古参のダンくんとその潰し合いというエンタメが見たい白さん、という最悪の解釈を生み出したりした。
パンフ読んで「オダサクが自信を取り戻す話」って書いてあるのでそうなんや!てなった。なんだと思ってたんだ。
太宰くんとの思い出がほとんどないオダサクが、「織田君の死」っていう太宰くんからの言葉で自信を取り戻し、「堕落論」で我々から力を貰う。
堕落論」読み上げてる以上彼らは人間なんだけど、ステージにいることは変わらないし、3の時みたいに客席とステージが同じ明かりにならないので結局彼らはステージに立つ側の人間なんだよなあ。だからこそ覚醒できたわけですね〜(そうだから偶像崇拝……)(いや知らんけど)。

つまるところ、あれは「舞台 文豪とアルケミスト」っていう偶像を見せられたんじゃねーかなと。あなたたちが有り難がっているものって、結局自分たちが良いように見て解釈して切り取って受け取ってるだけじゃない?っていう。物事の本質が見えてないんじゃない?みたいな。そういうものを感じた。
まるで文劇は特別みたいに言うオタクがいるけど、全然そんなことないのにね。
劇館長が出てきたことによって国家だの主義や思想の話をしがちだけど、物語を進めるギミックで意味なんてないと思ってるから、皆さん真剣に議論しててすごいなって思う。演劇的とか社会派とか、芸術か娯楽かとか、すごい御大層なものみたいに思ってるみたいだけど、結局エンタメなんだよね。

まさに「かっこいい崇高な魂と見せかけた遊び」
エンタメなんです。って私は思いました。

そして4の「真実を求め続けよう」っていう秋声の言葉に繋がるような気がした。
そう考えると4〜6って見事に書き手(作り手)の苦悩を描いたんじゃない?!すごい。
これだから文劇って楽しいんだよな。

まあオジ三羽烏は自らハードルを上げてしまったわけですが……。来年が楽しみだな〜!

 

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2020年振り返り

もうすぐ今年も終わるので振り返ってみます。

▼1月
文劇から始まる。
初日のチケットを持っていなかったので、待ちきれなくなった私は譲渡を探して観に行ったのであった。千秋楽終わる頃にはゲームを始めてそのままずぶずぶ。タイムシフト見てたら有島くんに落ってたんだけどもうグッズ何も買えない。泣いた。
YAhHoo!!!!のイベントが文劇千秋楽とかぶってたので気が気じゃなかった。ごめんねあびこくん。舞台写真集買ってサインしてもらった。焼きそば美味しかった。

▼2月
水戸チョコレートフェスティバルへ。丁度外でゼロワンの撮影してて沸いた。
バレンタイン公演は姉を連行することに成功。ボーイたちの反応がとても面白かった。姉も楽しんでくれたようで良かった。月末の公演がコロナで中止になった。ギリギリやってた艶漢を急遽観に行く。陽春くんがかわいかった。

▼3月
手元にある円盤と配信をひたすら見てた。
あとはツイステを始めた。

▼4月
文アニが始まった。久々にアニメ追ったり、朝ドラ追うなどし始める。
花の○年組のブロマイドが最強スチルすぎて謎にハマる。何故かグッズを買った。最高。

▼5月
過去の舞台の配信めっちゃあったから見てた。野球見てボロボロ泣いた。
文アニ地獄変により苦しめられた。
文劇グッズ通販が決まり歓喜した。有島くんのグッズが買える喜び。

▼6月
待ちに待った文劇円盤発売。文豪の本を買うなどした。

▼7月
少ハリ原画展に行く。
文劇新作の詳細が来てしんだ。

▼8月
文アニが終わった。
炒飯が始まった。

▼9月
5周年記念公演が開催された。久々のあびこくん。まさかの主役で嬉しかった。楽しかった。
文劇新作公演。公演数増えたり、結局中止になったり。どうなるかと思ったけど最後までやれて良かった。とにかく最高だった。早く円盤見たい。

▼10月
モリアニ始まった。あとハンサムセンキョ。
「友情」を読んで改めて文劇見てしんでた。
文アル合同イベント。読み合わせが謎すぎた。くぼひでが何か連れてきてて音声が乱れるなどした。ホラー。

▼11月
5周年記念公演追加公演。また会いに行けて良かった。席の配置変わってて笑った。楽しかった。

▼12月
ストテラ。team暁の星瞬(青春)も見せてほしくてたまらなくなった。観劇納め。
クリスマス公演(配信)。ダンスめっちゃ見れて最高だった。


今年は大変な年だったけど、観劇もできたし、推しにも会えて楽しかったです。観劇はステラボールで始まりステラボールで終わりました。
ストテラの感想はまた改めて書きたい(願望)。

舞台文豪とアルケミスト綴リ人ノ輪唱 感想

残した作品が、込めた想いが。それを見て、聞いて、読んで、人の心に残る限り永遠になる。覚えていてくれる人がいる限り、存在した証明になる。未来を繋いでいく。そうやって道は続いて行くのだなあと思いました。

正しく「たとひ魂は砕けても、想いは砕けない」だし「綴り人の輪唱」でした。

個人的にとても印象的だった朗読のシーン。文劇には余計者の挽歌から、何かしら「読む」シーンがありますよね。
今作は特にそのシーンの意味について考えました。

太宰くんと白さんのシーンは、配信だと気付かなかったけど、客電が上がって舞台も同じ明かりになるんですよね。
これは、今舞台にいる彼らは我らでもある。この作品の登場人物である、という意味もあるのかもしれないなと思いました。
私は客電が点いたことで、舞台上に上げられたような感じがしました。
きっと沢山の人々の想いが、太宰くんに力を与えたのでしょう。だから最後の力を振り絞れたのではないかなあ。

最後の朗読は没した順なんですよね。
芥川が目覚めた時、「文豪とアルケミスト綴リ人ノ輪唱」の「本」を、気が付いたように手に取って読み始める。きっといつかの未来の読者なのかもしれない。
文豪たちの幕は降りたけれど、綴った物語があったから、そうして出会った読者がいたから、太宰くん(や他の文豪)の道が拓けたのかもしれません。
ここからまた文豪たちの聖なる旅が始まるんだな…となりました。

今回は太宰くん=我らでもあったのかなあと思っています。

そして文劇はいつでも「生きろ!」と言う…。願いのような祈りのような「生きろ」でしたね。

とても希望に溢れた最高のラストだったと思います!

そして「舞台文豪とアルケミスト」という一冊の本を、作品を覚えていてくれたなら、きっとまた会えるよってことなのかも。

そうやって想いを繋いでくれる人がいる限り、彼らは何度でも生まれ直せるし、永遠に始め続けられるんでしょうね。



さて、私にとっては約半年振りの舞台でした。
1月ぶりのステラボール、劇場の空気に感動しました。やっとこれたなあという気持ちでした。
始まる前のわくわく感と緊張、サスに浮かび上がる太宰くんを見た瞬間、涙が滲みました。
生で観れるのはやっぱり最高ですね!

私は今回元々こういう路線だったのだろうなあと思っています。たまたまこういう事態になって、今だからこそ刺さる作品になったのだと。
プロパガンダになり得るとか制作側のエゴとか何とかは特に感じませんでした。そういう感想が散見されたので…。

館長は確かにその時代の概念の具現化的なモノなのかもとは思ってますが、そこに一人の人としている以上「個」だと思うし、「集」の中の「個」でもあるし、「個」と「個」のぶつかり合いだったと感じてます。
誰かにとっての正義は誰かにとっての悪である。正しさと正しさのぶつかり合いでしたね。
文豪たちが再び転生したように、館長もまた生まれるんだろうな。

今回は乱歩さんと中也さんへの愛しさが募りまくりでした。大千秋楽のカテコしんでしまった…。めっちゃ好きになった二人でした。

なんか文アニも見てたので、次々絶筆していくのをまた見なきゃいけないの?!と思ったりしたのですが、半分生き残ったので良かった…これで終わるのか…まあ希望はあるな…。と思ったら白さんがやられて、人の心がない!!!となりましたね。
本当にあの展開は辛かった…(それでも何回も見た私は何…)

あとさとちゃん!私の知ってるさとちゃんデビュー2年目とかそれくらいまでだったので、成長したな〜としみじみしました(笑)
さくちゃんの最期を看取りながら静かに怒りと悲しみを積み上げていくさとちゃんに震えました。


今回は深く考えさせられる作品になりましたね。本当にいっぱい考えました。円盤が出たらまたじっくり見たいです。印象が変わりそうだ。


文劇新章ずっと待ってるからな〜〜〜!!!




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